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小川 修一*; 津田 泰孝; 坂本 徹哉*; 沖川 侑揮*; 増澤 智昭*; 吉越 章隆; 虻川 匡司*; 山田 貴壽*
Applied Surface Science, 605, p.154748_1 - 154748_6, 2022/12
被引用回数:4 パーセンタイル:45.85(Chemistry, Physical)グラフェンのKOH溶液への浸漬により、SiO/Siウェハ上のグラフェンの移動度が改善される。これはK原子によるグラフェン修飾による電子ドーピングのためと考えられるが、このときのグラフェンに含まれるK濃度は不明だった。本研究では高輝度放射光を用いたXPS分析によりK濃度を求めた。リアルタイム観察によりK原子濃度の時間変化を求め、放射光未照射時のK原子濃度は0.94%と推定された。また、K原子の脱離に伴ってC 1sスペクトルが低結合エネルギー側にシフトした。これはグラフェンへの電子ドープ濃度が減少していることを示し、K原子はグラフェンに電子注入していることが実験的に確かめられた。
米田 安宏; 尾原 幸治*; 永田 肇*
Japanese Journal of Applied Physics, 57(11S), p.11UB07_1 - 11UB07_6, 2018/11
被引用回数:18 パーセンタイル:59.12(Physics, Applied)非鉛圧電体材料の母相として期待されているニオブ酸カリウムの局所構造解析をX線二体相関分布関数法を用いて行った。広い温度領域で局所構造解析フィッティングを行った結果、ユニットセル以下の短距離構造は菱面体晶構造だけが、唯一実験的に得られたデータを再現できるモデルであることがわかった。この菱面体歪みは4つの相をまたいで維持されていることがわかった。
阿部 康弘*; 瀧上 眞知子; 杉野 公二*; 田口 光正; 小嶋 拓治; 梅村 智也*; 角田 欣一*
Bulletin of the Chemical Society of Japan, 76(8), p.1681 - 1685, 2003/08
被引用回数:5 パーセンタイル:26.45(Chemistry, Multidisciplinary)フェノール,ブチルフェノール(BuP),ビスフェノールA(BPA)等のフェノール系内分泌攪乱物質(P-EDCs)50M水溶液の分解を過マンガン酸カリウム(KMnO)を用いて行い、Co線照射により生成したOHラジカルによるP-EDCsの分解と比較した。種々の有機酸及び無機炭素が、KMnO及びOHラジカルによるP-EDCsの分解で生成した。KMnO処理では、有機酸及び無機炭素は芳香族環の直接開裂で形成され、OHラジカル処理の場合にはOHラジカルの芳香族環への付加・置換反応に続く芳香族環の開裂により形成される。一方、BuP及びBPAを完全に取り除くために必要とされる電子数で分解効率の比較を行うと、KMnOはOHラジカルとほぼ同等であったが、フェノールの100%分解では、KMnOはOHラジカルの3倍量必要であった。しかし、フェノールを完全に有機酸及び無機炭素に変化させるために必要な電子数は720Mであり、両処理で同等であった。
関根 俊明
上毛新聞, P. 9, 2003/01
本稿は、日本化学会創立125周年記念群馬化学展に関して企画された新聞連載において、化学元素はその起源において放射線と関連していること知って貰うために執筆した。K-40を材料として、天然放射性元素の存在と、K-40の起源が宇宙の星にあることを述べた。
安田 健一郎; 桜井 聡; 軍司 秀穂; 臼田 重和
Journal of Nuclear Science and Technology, 39(Suppl.3), p.552 - 555, 2002/11
IAEAの93+2計画に基づく保障措置システムの強化に対応するため、原研では高度環境分析研究棟(CLEAR)を整備し、保障措置環境試料中に含まれる極微量核物質の分析技術を開発している。試料間の相互汚染やクリーンルームへの汚染を避けるために、CLEARに持ち込む放射性物質の量的制限の設定を検討している。測定方法として、発表者は、オートラジオグラフィーの一種であり、試料中における低レベルの放射能分布測定に有効であるイメージングプレートの適用性を検討した。予備試験において、線及び線源としてサマリウム(Sm-147)及びカリウム(K-40)試薬を測定した。線では0.05~0.1Bq,線では0.01~0.2Bqの領域において、測定値は放射能に対して線形性を示した。線の検出限界を0.05Bqとすれば、約2g程度の天然ウランの検出が期待できる。
金 善永
JNC TN8400 2001-008, 36 Pages, 2001/03
高レベル放射性廃棄物を地層処分する際に、多くの国では緩衝材としてベントナイトが候補材料として考えられている。特に近年は、地層処分にセメント系材料の使用が考えられている。セメント系材料からの浸出液はpHが高く、Ca、Na、Kなどの濃度が高いために、緩衝材や周辺岩盤を変質させると考えられる。この反応は、処分場が地下深い所に位置する場合、地熱や放射性廃棄物からの熱、圧力、地下水などの反応によって、さらに激しい変質を受けると考えられる。このような場合、緩衝材としての膨潤性、地下水の侵入防止、核種元素の移行遅延などの性能は、低下することが懸念される。今回は、高pH溶液に対する緩衝材構成鉱物間の影響を調べるために、緩衝材の主な構成鉱物であるモンモリロナイト、長石(曹長石)、石英を選定し、これらを一定比率に混合させて、蒸留水やpH1113溶液との反応を調べた。試験温度は50150であり、反応期間は10200日であった。試験結果、主な2次生成鉱物は方沸石(analcime)であり、温度やpHが高く、反応期間が長いほど、その生成量は多く、粒径も大きくなる傾向を示した。この方沸石の生成量は、X線粉末回折分析手法により定量化を試みた。方沸石の定量化の結果、その生成量は次の順序を示した。モンモリロナイトと長石混合試験モンモリロナイト試験モンモリロナイトと石英混合試験この他に、走査型電子顕微鏡観察を行った結果、X線粉末回折分析データからは検出できなかった方沸石の結晶が観察された。また、定量化のデータを利用して、各試験においての方沸石の活性化エネルギー(kJ/mol)を求めてみた。・モンモリロナイト試験での方沸石の活性化エネルギー:54.9kJ/mol・モンモリロナイトと長石混合試験での方沸石の活性化エネルギー:51.9kJ/mol・モンモリロナイトと石英混合試験での方沸石の活性化エネルギー:59.6kJ/mol以上の結果より、ベントナイトに珪砂を混合させることや、周辺岩盤や緩衝材中の長石の存在などによる高pH溶液の変質影響を推定できる。
藤田 玲子*; 中村 等*; 近藤 成仁*; 宇都宮 一博*
JNC TJ8420 2000-004, 41 Pages, 2000/03
乾式再処理技術の研究開発を進める際には、ウランやプルトニウム等を用いた試験の終了後に発生する使用済塩廃棄物を安全に保管することが重要である。そこで本研究では、乾式再処理試験で使用した塩廃棄物を安定に保管・管理する方法を検討するため、現状の塩廃棄物の保管・管理方法について調査した。溶融塩電解試験に使用した塩廃棄物を保管している研究機関に対する調査から、塩廃棄物は、ポリエチレン製ビニールで二重に包み、ビニールの口をビニールテープで封止して密封に近い状態にしたものをゴムパッキン付のドラム缶に装荷して保管していることがわかった。一方、模擬塩廃棄物を用いた保管試験から、温度および湿度は特にコントロールせず、外気とほぼ同じ状態にしても、多重シール性が確保できれば、塩廃棄物の長期保管ができる可能性のあることがわかった。なお、塩廃棄物が水分と接触すると吸湿し液体となる可能性があることを考慮し、あらかじめ高分子吸湿材を入れておくことが重要である。
J. A. BERRY*; M. BROWNSWORD*; D. J. ILETT*; Linklater, C. M.*; Mason, C.*; TWEED, C. J.*
JNC TJ8400 2000-060, 60 Pages, 2000/02
本報告書では、以下の2つの事項について報告する。異なる酸化条件下における、玄武岩及び砂岩へのプルトニウムの収着挙動を明らかにするために実験的研究を行った。溶液中の酸化還元電位は、還元剤2種類及び酸化剤1種類を使用し、制御を行った。熱力学モデルを使用し、試験結果の解析を行った。今回、酸化鉄をベースとした収着モデルを使用した。砂岩については、プルトニウムの収着データを再現することができたが、玄武岩については、収着データを低めに予測する傾向が見られた。
米田 吉宏*; 高原 弘幸*; 中村 直昭*; 秋山 眞介*; 守屋 俊文*; 根木 健之*
PNC TJ1380 97-001, 1338 Pages, 1997/03
釜石鉱山における原位置試験の第2フェーズ(H5H9年度)では、次の5つの領域が研究対象とされている。すなわち、(1)深部地質環境特性の把握(TASK-1)、(2)深部岩盤における掘削影響領域の評価(TASK-2)、(3)結晶質岩中の水理・物質移行特性の把握(TASK-3)、(4)人工バリアに関する研究(TASK-4)、(5)地震に関する研究(TASK-5)である。本報告書は、主に(1)の深部地質環境特性の把握を目的として実施された調査・試験結果をまとめたものであり、同時にこれは他の研究のための基礎的な資料を提供するものである。本年度は大別して3つの調査項目からなり、以下のような成果を得た。(1).割れ目充填物の年代測定:割れ目充填物中の変質鉱物であるセリサイトのKーAr年代測定を実施した。その結果、同試料のフィッション・トラック年代よりも15Ma以上古い年代値が得られた。同試料では他の割れ目の影響や再動・再変質等の影響を被っていないことから、割れ目充填物は栗橋花崗閃緑岩体の冷却過程において形成され、岩体同様に徐々に冷却したものと推定された。地質構造および割れ目形成史のまとめ:現在迄に取得されている地質データを見直し、原位置試験場周辺の地質構造や割れ目特性、充填物・変質部の鉱物・地化学特性、形成史についての取りまとめを実施した。弾性波トモグラフィー:KF-1、2孔周辺における割れ目帯およびみずみちの検出を目的として弾性波トモグラフィーを適用し、解析には2種類の手法を用いた。その結果を比較検討したところ、地質観察(NW坑道周辺及びKF-l、2孔)で推定される割れ目帯、流体流動電位法(KF-1孔)においてSPのアノーマリーが検出された領域、流量検層(KF-l、2孔)で多くの湧水が確認された区間において両解析手法ともに低速度帯の存在が認められ、弾性波トモグラフィーが割れ目帯及びみずみちの検出技術として有効な手法であることが明らかとなった。(2).降水量・気温・坑道湧水量・間隙水圧の経時変化の把握:KG-1孔の間隙水圧の経時変化と降水量に関連性があることが認められた。また、KD-90坑道とNW坑道周辺における間隙水圧の観測から550mL坑道内に存在する高木圧帯の連続性が推測された。KF-1,2孔、KCH-l,2孔における水理試験:これらの試錐孔において流量検層、PNC式
not registered
PNC TJ1459 96-001, 54 Pages, 1996/03
空中電磁探査結果付図1.1.1見掛比抵抗分布図(56KHz)付図1.1.2見掛比抵抗分布図(7,200Hz)付図1.1.3見掛比抵抗分布図(5,000Hz)付図1.1.4見掛比抵抗分布図(900Hz)付図1.1.5見掛比抵抗分布図(385Hz)付図1.2.1見掛比抵抗分布図(地表下-10m)付図1.2.2見掛比抵抗分布図(地表下-20m)付図1.2.3見掛比抵抗分布図(地表下-30m)付図1.2.4見掛比抵抗分布図(地表下-40m)付図1.2.5見掛比抵抗分布図(地表下-50m)付図1.2.6見掛比抵抗分布図(地表下-60m)付図1.2.7見掛比抵抗分布図(地表下-70m)付図1.2.8見掛比抵抗分布図(地表下-80m)付図1.2.9見掛比抵抗分布図(地表下-90m)付図1.2.10見掛比抵抗分布図(地表下-100m)付図1.3.1見掛比抵抗分布図(海抜0mレベル)付図1.3.2見掛比抵抗分布図(海抜20mレベル)付図1.3.3見掛比抵抗分布図(海抜40mレベル)付図1.3.4見掛比抵抗分布図(海抜60mレベル)1.3.5見掛比抵抗分布図(海抜80mレベル)付図1.3.6見掛比抵抗分布図(海抜100mレベル)付図1.3.7見掛比抵抗分布図(海抜120mレベル)付図1.3.8見掛比抵抗分布図(海抜140mレベル)付図1.3.9見掛比抵抗分布図(海抜160mレベル)
邑瀬 邦明*; 足立 吟也*; 橋本 雅史; 工藤 博司
Bulletin of the Chemical Society of Japan, 69(2), p.353 - 357, 1996/00
被引用回数:19 パーセンタイル:67.99(Chemistry, Multidisciplinary)クヌーセン噴散マススペクトルにより、LnCl-KCl(Ln-Nd,Er)等モル溶融塩からの揮発挙動を1018-1273Kの範囲で調べた。気相の化学種としてKCl、KCl、NdCl、KNdClが見出され、それらの蒸気圧が求められた。NdCl単成分浴上のNdCl蒸気圧も同様に測定した。気相錯体KNdClを形成することによるNdClのみかけの蒸気圧上昇は温度の上昇とともに低下した。反応、KNdCl(g)+KCl(g)=NdCl(g)+KCl(g)および、KNdCl(g)=KCl(g)+NdCl(g)の第二法則エンタルピー変化から、気相錯体KNdCl(g)が2つの架橋塩素原子と2つの末端塩素原子を有するC型構造をもつことが示された。ErCl-KCl系に関しても、測定の結果KCl、KCl、ErCl、KErClの発生が見出された。
not registered
PNC TJ1626 95-001, 92 Pages, 1995/04
本研究報告ではつぎの二つのものを報告する。1.新潟第三系の緑泥石鉱物について2.合成実験によるスメクタイトのイライト化 1.は続成作用によるスメクタイトのイライト化がみられる新潟第三系に同時に出現する緑泥石鉱物(含コーレンサイト)の成因について考察した。その結果、つぎの3つのタイプの緑泥石鉱物があることを確認した。(1)局所的な熱水変質作用により生成されたと考えられる自生のコーレンサイト(2)砕屑性と考えられる緑泥石(3)砕屑性と考えられる1:1規則型緑泥石/スメクタイト混合層鉱物・したがってこれらの緑泥石鉱物は続成変質作用とは無関係であると結論された。2.については、K濃度を1000ppmと一定にし、Al濃度を1000ppm、100ppm、10ppm、0ppmと変化させた実験をおこない、スメクタイトにK固定層が時間経過にともない、どのように変化するかを調べた。この実験に加えて、K濃度を0.5N(約2000ppm)と一定にし、Ca濃度をかえ、CaのスメクタイトのK固定に与える影響について調べた。低い圧力ではスメクタイト中へのK層固定に与えるAl濃度の違いの影響は重要でない。1000ppmのK濃度溶液に比べ、1NのK濃度溶液中で合成した試料の方がスメクタイトへのK固定は多い。またCaを加えることによりスメクタイトへのK固定の割合が抑制された。
島崎 雅夫*; 滝 富弘
PNC TN6510 94-001, 19 Pages, 1994/09
この資料は、ウラン鉱石と製錬鉱滓からのRa-226とTh-230の除去法に関する研究について、主にカナダの文献に報告されている内容を引用してまとめたものである。ウラン鉱石と製錬鉱滓からのRa-226とTh-230の除去法に関しては、各種の浸出材(鉱酸、無機塩類、有機錯化剤)を用いた浸出試験が実施されている。しかし、本研究の目標である浸出残渣を無管理で処分する処理法を開発した報告例はなく、研究開発の現状にあることがわかった。本研究の目的は、放射性物質による環境汚染の低減化に向けた新しい処理プロセスの開発にある。鉱滓処理の法律基準が年々厳しくなると予想される現状からして、環境資源開発においても環境にやさしい製錬法の開発に取り組んでいる。本資料は、今後、本研究を取り組んでいく上での参考資料として役立つものと考える。
吾勝 永子
JAERI-M 93-142, 31 Pages, 1993/07
日本原子力研究所原子力総合研修センター原子炉研修部門で開催している原子力入門講座における、ある実習開発の報告である。実習の目的は、放射能(N)の理解である。天然カリウム含有試料の線スペクトル測定を行い計算中に既知試料の放射能や検出効率などを計算する。研修生のアンケートによると、本講座の研修生は年令や学歴について多種多様であり、本実習についての予備知識をもたない者が多かったが、かなりの理解が得られた。さらに放射線管理区域を使う必要がない実習であり、有益なものと考えられる。
伊藤 光雄; 磯 修一; 星野 昭*; 鈴木 修一*
JAERI-M 92-040, 14 Pages, 1992/03
高温ガス炉で用いられる燃料コンパクト中のウランを定量するため、フッ化カリウム融解-酸化重量法について検討し、その方法を確立した。燃料コンパクトを酸化して得られるTRISO型被覆燃料粒子をフッ化カリウムで融解したのちウランを重ウラン酸アンモニウム沈澱として回収する。沈澱を850Cで強熱してハミ酸化ウランに酸化し、その重量からウランを定量する。試料の融解条件は被覆燃料粒子10gに対してフッ化カリウム50g、900C、3時間が適当であった。本法による燃料コンパクト中のウランの定量結果は21.040.05g(n=3)であり、非破壊線測定法による定量結果は21.010.07g(n=3)であった。
守屋 孝; 本石 章司
Proc. of the 3rd Asian Symp. on Research Reactor, 8 Pages, 1991/00
窒化アルミニウムをターゲットとしてJMTRで照射し、N(n,p)C反応により生成するCを分離し安定な[C]-炭酸バリウムとして得るC製造法を紹介する。本法は50GBq/バッチの規模で行われるため高中性子束及び高ガンマ線束下で長時間の照射を必要とし、ターゲットの健全性が求められる。このため窒化アルミニウム粉末を加圧成型したのちヘリウム雰囲気で焼結することにより、照射時の健全性を保てることが確認されるとともに、比放射能の低下をもたらすCの含有量も低下させることが判った。照射後ターゲットは高温燃焼炉で二酸化炭素に酸化し、いったんアルカリ溶液に吸収させた後塩化バリウムを加え炭酸バリウムとした。[C]炭酸バリウムから、さらに有機化合物を標識するのに便利な四種類の前駆体[1-C]酢酸ナトリウム、[C]メタノール、[C]シアン化カリウム及び[U-C]ベンゼンの合成操作について述べる。
木村 貴海; 小林 義威
Journal of Radioanalytical and Nuclear Chemistry, 91(1), p.59 - 65, 1985/00
被引用回数:15 パーセンタイル:84.23(Chemistry, Analytical)ウランとトリウムの硫酸バリウムへの共沈挙動を、ウラン・トリウムの濃度、酸および酸濃度、硫酸ナトリウム・硫酸カリウムの添加量を変化させて、ウラン・トリウムの収率から検討した。収率は線計数とスペクトルを測定し求めた。その結果、ウラン・トリウムの共沈にはとくにカリウムイオンの存在が必要なこと、最適条件のもとでトレーサー量から1.5mgまでのウランまたはトリウムが硫酸バリウム(10mg)に定量的に共沈することを見出した。さらに、正確な共沈機構は明らかではないが、共沈したウランの硫酸バリウム沈澱中の化学形について検討を加えた結果、ウランはカリウムと1:2のモル比で共沈していることが明らかになった。
柴部 禎巳; 葉田 可林
Radioisotopes, 33(10), p.675 - 679, 1984/00
イネ幼植物の根の含有水のDO濃度は、30min以内に吸収液のそれと平衡した。しかし、茎葉部のDO濃度は5~6h後平衡にたっし、24h後もほとんどかわらなかった。吸収液のDO濃度が94.2%のとき、根の水の平衡値は73%茎葉部のそれは43~47%である。Kを除外した一定濃度のDO吸収液で前処理、平衡させたイネのK吸収は、吸収液のDO濃度の増加に対応してよりつよく抑制された。イネのK吸収速度はDO濃度の対数にたいして直線的に減少し、DOの抑制作用に閾値はみられない。根から茎葉へのKの移行は、40%DO以上でいちじるしく抑制された。前処理なしのイネでは、根のK吸収は0~60%DOではかわらなかったのが、80%以上で抑制された。イネのイオン吸収にたいするDOの抑制作用は、植物体内のDO濃度と密接に関係し、とくに茎葉水のD/H比がイオン吸収を支配していることがあきらかになった。
吉田 勝; 熊倉 稔; 嘉悦 勲
高分子論文集, 36(1), p.35 - 40, 1979/00
被引用回数:3塩化カリウムを含む多孔質カプセルは、ポリエチレンブリコール#600存在下メチルメタクリレートの放射線重合によって調製し、そのカプセルからの薬剤の溶出性を検討した。このカプセルの多孔質構造はメチルメタクリレートとポリエチレングリコール#600の組成によってコントロールできる。カプセルから溶出した薬剤量を時間の平方根を関数としてプロットしたところ、直線関係が得られた。さらに溶出度はカプセルの含水率と比例関係にあり、又電子顕微鏡写真から得られた空孔率(porosity)とも同様な関係が認められた。